第3回は葉山のアパレルショップ「SUNSHINE+CLOUD」店長の田川薫さんが登場。音楽活動やコーヒー焙煎も行う田川さんの自宅を訪れ、暮らし観やマーナ商品の使いこなしを伺いました。
小さな幸せをとりこぼさない、その先に
「僕、コーヒーはホットの方が好きなんです。時の流れや空間をゆっくり楽しめる気がして」
森戸海岸のにぎわいを抜け、築50年を超える庭付きの古い一軒家へ。年月を重ねてきた家に、国内外で集めてきた古道具の数々。時の重なりが生みだす居心地の良さにふれ、少しずつ心がほぐれていくのを感じます。
田川薫さんは葉山のアパレルショップ「SUNSHINE+CLOUD」の店長であり、音楽活動やコーヒーの焙煎も行っています。公私ともに暮らしを慈しむ原点は、実家にありました。
「暮らしに興味をいだいたきっかけは、きっと両親です。特に母が『暮しの手帖』を愛読しており、白玉だんごを一緒に作ったり、益子焼の器を日常的に使ったり。ちょっとした暮らしのものがすぐそばにありました」
「だから上京して、自分の暮らしを一から作るときも、実家で目にしていたものを自然と集めていましたね。少し表情があるものや古いものを」
(ポーランドで出会ったマグカップ)
そのまなざしは音楽活動にも表れています。音楽ユニット「ごがつの日」では作詞作曲を担当。歌詞カードをなぞると、自転車や雨など何気ない記憶のピースが立ちあらわれます。大事にしていることは?とたずねると…
「小さなことを歌うこと。若い頃は世界平和とか大きなものを動かそうと歌っていたけど、ある時『まずは身の回りからだ』と思ったんです。スモールハッピーというか、隣の人の平和をつくる、その積み重ねの先に大きなものを動かす兆しがある」
(家族の記憶がそこかしこに飾られている)
「ちょっとしたごはんをおいしく食べられたら幸せ。夜、こっそり飲むビールがおいしければ幸せ。そうやって生活のハードルを下げて、日々を味わえれば、派手さがなくてもいいかなって」
コーヒーかすに乾物、日々を愛しむための道具たち
身近なものを大切にする姿勢は、セレクトしたマーナの商品にも活かされています。1つ目は「コーヒーかす消臭ポット」。毎日焙煎を行い、朝と晩、コーヒーを楽しむ田川さんにとって、ドリップ後のコーヒーかすは切っても切り離せないもの。
「淹れ終えたかすを捨てるのはもったいないので、普段はコーヒー染めをしています。以前はそのまま庭で干していましたが、まずはポットに入れて水回りを消臭。そのあと染めに使えば、一度で二度おいしい、活用の幅が広がると思いました」
コーヒーかす消臭ポット
右がコーヒー染めをしたトートバッグ。揺らぎのある色が美しい
「あと保存容器も良かったです。昆布、かつお、煮干しなどだしの乾物を入れるのにぴったりでした。以前は買った袋のまま保存していましたが、かさばるし、見ばえも気になっていて。白の色あいもやさしくて好きです」
保存容器ワイドショート・保存容器ショート
海の近くゆえ湿気対策は必須。「カチッと密閉してくれて安心です」
日常のちょっとしたことを慈しむ。その積み重ねが暮らしを変え、人生を変える兆しになる。まずは身の回りから、と改めて気づかせてもらいました。
Q&A
Q1・朝の楽しみ方は?
出勤前、4歳の息子と一緒にコーヒーを淹れるのが楽しいひとときです。
Q2・ものを選ぶときの基準は?
古いものが好きですが、便利な生活用品に抵抗があるわけではなく、暮らしになじむことを大事にしています。
Q3・マーナ商品の魅力は?
「こういうものがあったら助かるな〜」という商品がピンポイントである所。
Profile
田川薫さん
葉山のアパレルショップ「SUNSHINE+CLOUD」店長。音楽ユニット「ごがつの日」や「珈琲 田川」など暮らしにまつわる表現を続けている。
Instagram:@anmo
写真と文:七緒