ひと息で膨らみ、携帯性に優れていると人気の「fuu ネックピロー」。旅行はもちろん、お家時間からアウトドアまで、さまざまなシーンにぴたりとハマるアイテムの誕生秘話をご紹介します。
【fuu ネックピロー プロダクト担当】牧谷
▼目次
1.アイデアは実体験から。「ひと息で膨らむ」画期的なネックピロー
2.膨らませてよし、畳んでよし。使いやすさのカギは「空気弁」
3.さまざまなシーンに。コロナ禍で気づいた可能性
4.デスクでの昼寝にも。おすすめの使い方いろいろ
アイデアは実体験から。「ひと息で膨らむ」画期的なネックピロー
―商品のアイデアは、どのように生まれたのですか。
新幹線での帰省時によくネックピローを携帯していたのですが、使っていない時にかさばるのが気になって。もっとコンパクトで、気軽に使えるものがあったらいいな、という思いから企画がスタートしました。
(厚紙で作った蛇腹形状の試作品)
—これまで、どのような素材やかたちを試されたのでしょうか?
シリコーン素材や蛇腹形状のものなど、日々試作品作りに明け暮れ、現在のかたちに辿り着きました。
—とってもコンパクトですね。
はい。重さも120gくらいで気軽に持ち運べます。
—このサイズを軽くひと息で膨らませられるところがすごいですね。
ビーチ用のエアクッションを参考にしました。口を開いて風を受けると、周りの空気を取り込んで膨らむんです。これに近いことをネックピローでもできないかな、と考えました。
—直接口をつけずに息を吹き込めるので、衛生的です。
その点は当初は意識してなかったのですが、お客様からも同じように衛生的と評価いただいています。
—「fuu」という商品名の由来を教えて下さい。
ちょっとダジャレみたいですが、ひと息で膨らむことと、「ふぅ」とひと息つくことのダブルミーニングになっているんです。
膨らませてよし、畳んでよし。使いやすさのカギは「空気弁」
(指しているのが空気弁)
—空気弁が特徴的ですね。
fuuの要とも言える、すごく重要なパーツです。空気弁の長さやかたちを試行錯誤し、ひと息で膨らむよう改良を重ねていきました。
—弁を中に押し込むだけで空気が抜けないことにも驚きました。
空気を入れると、弁自体がその内圧で膨れ上がって一時的に蓋をしてくれるんです。逆に畳む時は、弁を外側に引っ張り出すことで、簡単に空気を抜くことができます。ポーチなしでも、コンパクトにまとまるのも推しポイントです。
さまざまなシーンに。コロナ禍で気づいた可能性
—開発にはどのくらいかかったのですか?
3年ほどでしょうか。新型コロナウイルスの流行があって、2年ほど開発が遅れてしまったんです。移動が制限されていたので、「今は時期じゃないね」と。
—「ネックピロー=旅行で使うもの」というイメージも大きいですものね。
でも、結果的にブラッシュアップを重ね、アイデアを煮詰めるための良い時間をいただけたな、とも思っています。ひと息でふくらんで、小さく畳める気楽さは、旅行以外のシーンでも魅力的だなと気づかされました。
—パッケージでも、さまざまなシーンを提案されています。
キャンプやご自宅でのリラックスタイムにもおすすめしています。この快適さを、旅行だけに限定してしまうのはもったいないな、って。
デスクでの昼寝にも。おすすめの使い方いろいろ
—空気の量はどのくらいがいいのでしょうか?
もたれる椅子の角度などで、空気の量を調整して固さを変えることができます。私はちょっとふにゃっとさせるのが好きです。
—他におすすめの使い方はありますか?
腰にあてるのもおすすめです。また個人的には、fuuをお腹の前に抱えながらデスクに向かうと安心感があるので気に入ってます。他にも、真ん中の穴に顔をうずめて昼寝をしたり。シーンに合わせて、色々な使い方を試していただければと思います。
—最後に、これから使ってみようと考えている皆さんにひと言お願いします。
私は、皆さんと同じいち生活者として、普段「自分が欲しいと思うか」「身近な人にプレゼントしたくなるか」を自身に問いかけながら開発をしています。そしてfuuは、自分にとって、まさに心からそう思える商品になりました。皆さんのくつろぎの時間に寄り添えたら、と願っています。
写真:七緒(4,5,11枚目はマーナ提供)
文:辻本力