自分の生活を始めて数年。日々の自炊にもだんだん、からだが慣れてきた。これまでの暮らしを見直して、新しい風を取り入れたくなる春。そろそろ、なんとなく使ってきた道具を見直したい。そんな気持ちで選んだのが「きほんのキッチンツール」。
特別凝ったことはしなくても、がんばらなくても、自然と手が伸びる使いやすいツールがあれば、おいしくて幸せな朝ごはんから1日がはじめられる。
この春、あなたも新しいキッチンツールを暮らしに迎え入れてみませんか?
いつもの朝ごはん
ーごはん、味噌汁、ベーコンエッグー
窓から降り注ぐ光に誘われて目覚めた朝。
寝ぼけまなこで着替え、顔を洗い、はじまる1日。
エプロンをまとって、台所に立つ。
鍋に出汁を注いで、味噌汁をつくる。
今日の具材は、じゃがいもとキャベツと油揚げ。
まずはじゃがいもの皮をむく。
軽くて、手にフィットするピーラー。
すーっとむける皮は、刃に張り付くこともなく、
散らばることもなく、
一箇所にまとまって落ちていく。
途中で刃がひっくり返ることもない。
もっとむきたいと夢中になってしまうほど、
気持ちがいい。
先端の内側を使って、芽取りも簡単。
じゃがいもをまな板の端によせて、
油揚げとキャベツをカット。
大きめのまな板は、食材の置き場にもなってくれる。
刃当たりがやさしくて、傷も気にならない。
出汁が沸いた鍋の中に具材を入れるときも、
まな板のフチにすき間があるから持ち上げやすい。
役目を終えたまな板は、
さっと洗って立てかけておく。
切っているときだけでなく、
立てかけているときも、すべりにくい。
パッと置けて、すぐ手に取れる。
気負わず使えるのも、
自然と手が伸びる理由のひとつ。
鍋の中をのぞいて具材が柔らかくなったら味噌を溶く。
友人からお土産でもらった信州の赤味噌。
ちょうどいい重さの菜箸は持ちやすい。
はまぐり型の深いお玉の中で、軽快にかき混ぜれば
味噌がしっかり溶けていく。
完成した味噌汁の隣で、ベーコンエッグを。
ベーコンの油で、目玉焼きのフチがカリッと揚がる。
白身がカリカリ、黄身がトロトロの目玉焼きが好き。
いい焼き上がり、今だっ!とターナーを差し込む。
ほどよくしなってすっと入るから
鍋肌を傷つけることもなく安心。
目玉焼きの形が崩れずお皿に着地できたのは、
安定感のあるターナーのおかげ。
冷凍しておいたご飯をレンジでほかほかに。
あつあつに温め直した味噌汁をよそう。
深いお玉は具材をごろごろすくい上げてくれる。
汁をたっぷりすくっても、はまぐり型の角を使えば
こぼすことなく細く注げる。
田舎の祖母が送ってくれる梅干しをごはんのお供に。
窓辺の食卓で、いただきます。
朝の光と湯気に包まれて、
お腹と心がじんわり満ちていく。
キッチンツールを買い直したら、
ストレスなく、よどみなく調理が進む。
心に余裕が生まれて、
いつもの朝ごはんがよりおいしく、幸せに。
使いやすいキッチンツールを手に、
明日もきっとわたしは台所に立つ。
▼登場したキッチンツール
写真:土田 凌
文:徳 瑠里香