ほっと一息つく時間に欠かせないドリップコーヒー。「この淹れ方で合っているのかな?」なんて迷ってしまうことはありませんか? そんなあなたに、おすすめしたい商品が登場しました。
商品開発の裏話をお届けするこのコーナー。本日は、4つのコーヒー道具を展開している「Ready toシリーズ」をご紹介いたします。
だれでもおいしく淹れられる工夫が詰まったコーヒー道具「Ready toシリーズ」
−−− 「Ready toシリーズ」のコンセプトを教えてください。
「Ready toシリーズ」は、誰でも簡単に、迷いなく、おいしいコーヒーを淹れられるコーヒー道具です。
「ドリッパー」「ドリッパー・マグセット」「コーヒー計量キャニスター」「コーヒーかす消臭ポット」の4商品を展開しています。
−−− シリーズ名にはどんな意味が込められているのでしょう?
「Ready to」は、日本語で「準備が整う」。「Ready to」のアイテムを使えば「おいしいコーヒーを飲む準備は万端」という意味と、おいしいコーヒーを飲んで「次の行動を起こすための気持ちの準備ができた」という、ふたつの意味を込めています。
コーヒーを計量して、淹れて、飲む。最後まで気持ちよくコーヒーを使い切れるラインナップを目指しました。
−−− 最初から最後まで、おいしく楽しめるコーヒー道具のシリーズですか! それでは、開発のきっかけを教えてください。
普段からコーヒーを淹れて飲んでいたのですが、どちらかというと初心者で。淹れ方の正解がわからなかったんです。コーヒー専門店の方に淹れ方について聞いてみたこともあるのですが、あまりピンとこなくて。私のように「コーヒーは好きだけれども、淹れ方がよくわからない」という方やドリップしてみたいけど、なんだか難しそう・・・と思っている方でも、気軽によりおいしくドリップコーヒーを楽しめる道具があったらいいな、と考えたのがはじまりです。
−−− 「安定した淹れ方」をどのようにして探っていったのでしょう?
ハンドドリップの競技会に10年以上携わっているハンドクラフトコーヒー専門店の方に共同開発者として参加いただいて、ドリップコーヒーの歴史から、抽出のメカニズムはどうなっているのか、ドリップのポイントは何なのか・・・とにかく学ぶところからスタートしました。
−−− ドリップコーヒーを知るところから始まったんですね!
そうなんです。ほぼゼロからのスタートでした。そうして学んだ知識を、今度は具体的な構造やデザインへ落としていくのですが、何度も検証を重ねました。
−−− 「Ready toシリーズ」のひとつ「コーヒー計量キャニスター」は、スプーンなどなしに、ひと振りで一杯分のコーヒー粉が計量できるしくみになっていますが、中身はどのようになっているのでしょう?
キャニスターをさかさまにした後、元に戻すことで、1杯分の粉が弁の部分に溜まるようになっています。2杯目以降はドリッパーに注ぐときに傾けるだけで、自然と計量ができるようになっているんです。
−−− こんな構造になっていたんですね。不思議だな、と思いながら使っていました!
計量をサッとできるようにしたら、コーヒーをもっと気軽に飲めるようになるのでは? と考えて作ったのですが、粉の動きを想定した構造を実現するのは、とても難しかったです。粉の流れやすい角度だったり、注ぎ口近くの弁のカーブだったり。試作をつくって、理想的な動きをするよう、細かに調整していきました。
−−− 見えないところに、機能の工夫が詰まっているんですね。「ドリッパー」のしくみはいかがでしょう?
一見するとシンプルですが、実はこっちのほうが、機能が盛りだくさんなんです。 例えば、この部分。ペーパーフィルターを折らずにセットできるよう、溝を入れました。
−−− 画期的なアイデアです! たしかに、この溝があることでひと手間を省けますね。
お客様からも「とても便利」とよく言われます。それから、コーヒーが抽出される部分に付けた突起もポイントです。わたしたちは「タンク」と呼んでいるのですが、これがコーヒーの蒸らしに必要なお湯の量の目安になるんです。
−−− 蒸らしの湯量ですか。
はい。少量のお湯で粉全体を湿らせる「蒸らし」はコツが必要で、初心者には難しいと感じる作業です。このタンクにコーヒーが落ち始めたら、蒸らしのお湯をストップするサインになるんです。
−−− ドリッパーが、タイミングを教えてくれるんですね!
そうなんです。この窓の部分からタンクを覗くことができます。窓があると、カップにどれくらいコーヒーが入ったかも確かめられます。このドリッパーですが、最後にもうひとつポイントが。
−−− なんと。まだ機能があるんですか!
はい。それが、この「らせんスロープ」です。通常のドリッパーは、内側に縦に溝が入っていることが多いのですが「Ready toシリーズ」のドリッパーは、あえて横に入れています。
縦の溝は、一気にお湯が流れやすいので、注ぐのに気を使わなくてはならないのですが、横の溝なら、神経質になってお湯を注がなくてもゆっくりと流れるので、おいしさを十分に引き出すことができるんです。
−−− フィルターを折らずに済む溝、蒸らしの目安が分かるタンク、そして、ゆっくり抽出するらせんスロープ。たしかに機能が盛りだくさんです。デザインにもこだわりが?
ペーパーフィルターやマグカップの規格に合わせた制約をクリアしつつ、叶えたい機能を盛り込んで、いかにデザイン的にきれいなものにできるかがポイントでした。
試作時は不透明な樹脂で検討するのですが、これだけ機能が盛り込まれていると、透明な樹脂でつくるとメカっぽくなってしまうのではないか?と懸念していました。でも実物が完成すると、イメージ通りの色味が出て、シンプルな雰囲気に落ち着いたのでよかったなと思います。
−−− 「Ready toシリーズ」全体のデザインのこだわりも教えてください。
ほっと一息つきたいときに使うものなので、丸みをおびた、やわからなフォルムを目指しました。それでいて、年齢や性別を問わず使っていただけるようにシンプルさも大事にしたポイントです。実は、4つの商品を並べたときに統一感が出るように、おしりのカーブを揃えています。
−−− キャニスターもマグカップも、消臭ポットも、同じ丸みをしていますね!
−−− どんな方に「Ready toシリーズ」を使っていただきたいですか?
ドリップコーヒー初心者の方や、淹れ方に迷っている方、あとは毎朝ドリップコーヒーを飲みたいけど、時間がなくてちょっと・・・なんて思っている方にも、ぜひ。
おいしいコーヒーにたどり着くまでにたくさんあるステップを「Ready toシリーズ」が、少しでも楽にできたら。そして、忙しい方に一息つく機会が少しでも増えたらいいなと思います。