2025.12.5
第13回はモデルの高山都さんが登場。等身大の暮らしぶりが多くの人に支持されている彼女のもの選び、お気に入りとなったマーナアイテムをアトリエで伺いました。
誰だって笑顔でいられる日もあれば、肩を落とす夜もある。わたしたちの日々はいろんなことが起きるけれど、できるだけ心地よさをまなざし、自分らしく暮らしたい。
モデルの高山都さんは、この5年間で引っ越し・結婚という大きな変化を迎えたことで、暮らしの喜びに改めて出会い直しているそう。たとえば、朝、寝室で季節のうつろいを感じること、ふたり揃って朝ごはんを食べること、心落ち着くヒノキやヒバの香りに包まれてぐっすり眠ること。
「食べる、眠る、遊ぶ、といった人間らしく生きることを大切にできるようになりました。一人暮らしの頃は、忙しくてばたんとベッドに崩れこむ夜もあって。次第に心もすり減ってうまく眠れなくなってしまったんです」
先が見えない霧の中をさまよう状況から、心とからだを立て直し、心地良さをたよりに進んできたことで今のおだやかな暮らしへ。パートナーの影響も大きいようです。
「のんびり屋さんの夫が隣にいることで、頑張りすぎちゃう私もスイッチオフできるように。私は喧嘩すると意地を張ってしまうタイプだけど、夫は『プンプンしてないで一緒に食べようよ〜』って誘ってくれる(笑)コーヒーを飲んだり、おしゃべりしたり、小さな喜びをなおざりにせず、慈しめるように」
1年前には愛用品について語るエッセイを出版。衣食住にまつわるものとの出会いや哲学が丁寧に綴られています。今、一番ときめくものは手仕事。木工作品や器、絵や写真など、人の手でつくられたものが部屋に並びます。
「人の手から生まれる温もりとうっとりする美しさ。両方兼ね備えているのが手仕事の魅力です。つくり手の思いに耳を傾け、使いこんで、愛着が増していく。持ちきれなくなったものは惜しみなく譲り、手から手へとバトンを渡す…そのめぐりの輪にいられることも幸せ」
誰かの手でつくられたものを愛する一方、家にあるものすべてを手仕事にするのは難しいのが本音。消耗品や掃除道具などの日用品はどんな視点で選んでいるのでしょう。
「便利なものも全然使うんですよ。でも上手になじませます。プラスチック容器はカラフルなものは避けて、白やグレーなどなじむ色に。パッケージが気になる料理酒のストックはかごの中に入れたり、和装を仕立てた際に出る”残布”でそっと隠しちゃうことも多いです」
そんな高山さんはもともとマーナの「2in1トイレブラシ」を愛用していました。お手洗いになじむすっきりしたデザイン、使い心地の良さから何年も使っていたのだとか。
「取材を機に『これ、マーナだ!』って気が付きました(笑)実は掃除全般苦手ですが、昔からトイレ掃除は大事にしていて。きれいだと気持ちいいし、運も良くなる気がする。一人暮らしなら次に使う自分へのバトン、誰かと暮らしているなら相手への心地良いバトンだと思って、日々きれいを心がけています」
「大きなブラシで全体を洗って、ミニブラシで便器フチ裏の黒ずみを落とします。2種類のブラシを使い分けることで、細かいところまできれいに磨ける。トイレ用の歯磨きのよう」
また、もともと傘が好きな高山さん。ビニール傘を極力減らし、お気に入りの傘をその日のコーディネートや天候に合わせて使い分けているそう。「Shupatto アンブレラ Plus」は雨の日の良い相棒に。
「Shupattoアンブレラは傘を閉じる時、ベルトで留める必要がないのが斬新だし、大きくて濡れにくいから雨の日も安心感があります。Plusのシチリアオレンジ色は雨の街にパッとお花が咲く感じがして好きなんです」
「寒くなってきたのであたたかいお茶をつくって、すぐに飲まない分はダブルウォールカラフェに入れて冷蔵庫に。煮干しを入れて出汁を取ることも。冷蔵庫の上段にすぽっと収まるから使いやすいです」
キラキラした表情で語る高山さんを見ていると、ものってやっぱりいいなあと思います。だってすべてのものは「あなたの毎日が良くなりますように」と祈りが込められているから。
身の回りのものを慈しむことができれば、その先にある暮らしを、人生を愛することにもつながる。そんな予感がしました。
写真と文:七緒