よみもの

vol.11/三嶋さつきさん(絵描き・イラストレーター)

第11回は絵描き・イラストレーターの三嶋さつきさんが登場。「暮らしの喜びから作品が生まれる」と話す彼女が、日々愛用するマーナアイテムとは?
 

季節の喜びから、表現が生まれる

春の風が台所へと通り抜け、縁側から見上げた先には山々の稜線。イラストレーター・絵描きである三嶋さつきさんのアトリエは、鎌倉の中心地から少し離れた古い一軒家にあります。

日常の景色を主に赤やピンク色で描く三嶋さん。チューリップの花束、海辺のお散歩、ごほうびビールで乾杯。誰しも身に覚えのある愛しい情景は、多くの人の心に共鳴し、惹きつけています。

「暮らしと表現がつながっていて、その時の気持ちが作品に現れるタイプです。昔から特に心動かされるのは季節のこと。たとえば冬から春に変わる一瞬の空気のまどろみにときめいたり、新緑の頃は自然と緑色の絵が増えることも」

暮らしの根っこである家は、古道具屋や祖父母から譲り受けたものを活かしながら、ところどころに作品を散りばめて。かたわらに寄り添う愛犬の森さん。ゆるやかな時の流れに、どこまでもくつろいでしまいます。

「でも東京で働いていた頃、暮らしに目を向ける余裕はありませんでした」と意外な一言。大学卒業後、テレビ局へ就職。当時は夜遅くまで働くのが日常で、家にはタクシーで寝に帰るだけという日もあったのだそう。

祖父母の代から農業を営み、季節のリズムで働き暮らす家庭で育った三嶋さん。故郷・和歌山のように自然を感じながら描きたい。思いと重なるようにコロナ禍となり、思い切って鎌倉へ。そして独立。

「鎌倉で等身大の暮らしを楽しむ人にたくさん出会い『私らしくいられる暮らしをする』と決めました。暮らしと表現が地続きだからこそ、心地よさに敏感になろうって。犬と住みはじめたり、縁側でのんびりしたり。ささやかですが喜びに満ちた日々です」

8年愛用するマーナの魅力は「思いやり」

一人暮らしをはじめた8年前からマーナを愛用する三嶋さん。台所には「調味料ポット」、お手洗いには「トイレブラシ」などアイテムが家のあちこちに。

「マーナは使い心地もデザインも好きで、気づいたら増えていました(笑)最近はペットフードの湿気防止に「ドライキーパー」も使いはじめました。日用品は毎日ふれるもの。ちょっとした使いやすさが日々を大きく助けてくれます」

今回、取材を機にお気に入りになったのが「ウェットティッシュケース」。

既存のウェットティッシュは、本体を押さえながらもう一方の手で中身を引き出すものがほとんどですが、こちらは片手でさっと取り出せる心強いアイテム。

「片手で蓋を開けて取り出せるから、もう一方の手で犬を抱っこしながら足を拭いたり、座ったままちょっとテーブル拭きたい時にぴったり。しかも底の吸盤でしっかり固定されるから倒れにくい。デザインも美しい」


ウェットティッシュケース
「白を選んだことで、
元々の家具ともなじみました」


360°カップ
「冷めにくく、蓋をしたままパッと飲める。
パーツが少なく洗いやすいのも◎」

家事の小さな心地よさに目を向けるさまは、季節の喜びをまなざしながら、キャンバスへ向かう姿と重なります。

「マーナは商品一つひとつに思いやりを感じます。私たちが面倒に感じる部分をデザインで解決してくれるものばかり。それゆえずっと使っていられるし、ずっと使っていたい。だから気づいたら増えていたんでしょうね(笑)」

地に足の着いた暮らしを慈しみ、喜びはキャンバスに乗って誰かの暮らしを彩っていく。それがきっと今の三嶋さんらしさ。そのあちこちに今日もマーナはひっそり寄り添っています。

Q&A
【Q1】鎌倉のおすすめの過ごし方は?
鎌倉で暮らしはじめて、夏が好きになりました。海の家でぼんやりビールを飲んだり、森林浴をしたり。海辺の町・材木座を自転車でふらふらするのも楽しいです。
 
【Q2】生活感のあるアイテムのなじませかたは?
整いすぎていると緊張しちゃうため、生活感も結構好き。キャンバス上で色合わせを楽しむように、どんな組み合わせがときめくか、あれこれ動かしてみることが多いです。
 
【Q3】絵を描く時に考えていることは?
純粋に好きで描いている部分もありますが、絵を見た人に心地良さを感じてもらえるのが一番。私の暮らしから生まれる表現が誰かの暮らしに寄り添えていたら、本望です。

Profile
三嶋さつきさん
イラストレーター、絵描き。雑誌の挿絵、商品パッケージ、CDジャケットなどにイラストレーションを提供するほか、作品展やこども向けワークショップも不定期で行っている。
Instagram:@satsukim12

写真と文:七緒