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2021.6.24

清潔は最高のおもてなし。マーナの歴史を語る清掃道具「清潔謹製」シリーズ開発者インタビュー

商品開発の裏話をお届けするこのコーナー。今回は、1872年から続くマーナの歴史を語るキッチン清掃道具「清潔謹製」シリーズをご紹介いたします。

−−− 「清潔謹製」シリーズの開発のきっかけを教えてください。

来年には創業150周年を迎えることや「これまでの商品の知見を活かせないか? 」「歴史を伝える商品があったらよいのに」といった社内外の声がきっかけです。

創業当時、マーナは刷毛(はけ)、刷子(ブラシ)の製造から事業を開始しました。初代の名児耶(なごや) 寅松が掲げた「自らが汚れても、相手をきれいにする。」という想いは現在も受け継がれています。この想いを新しいキッチン清掃道具のコンセプトに込めたいと考え、企画がスタートしました。

−−− 企画について、社内からはどんな声があがりましたか?

マーナのヒット商品のひとつ「おさかなスポンジ」のように、お客様から長く支持されるもの、それを超えるものを目指してほしいといった声があり、責任をより一層感じました。

−−− 象徴的なロゴですね。どのように出来たのでしょうか?

二代目の名児耶 清松が考案した屋号を、現代に合うようアレンジしたものです。
                 左が当時の屋号、右が「清潔謹製」のロゴ

受け継いだのが「○(まる)」に「ナ」と書かれている部分。これは「名児耶」の頭文字から取ったもので、当時「まるナさん」と呼ばれていたそうです。現在の社名「マーナ」の由来だと言われています。

もうひとつが、松葉のイメージ。屋号にあしらわれている矢印のような部分ですが、当時、刷毛をつくるときに、ニスの代わりに松脂(まつやに)を使っていたと言われています。このイメージを「清潔」を連想させる形に発展させました。

−−− ロゴにも歴史が刻まれていたんですね! ところで、キッチンの清掃道具にはさまざまなものがありますが、「清潔謹製」では5つの商品に絞られていますね。

迷わずに選べるよう、ベーシックな道具に絞りました。ざるやまな板を洗うためのブラシ、食器を洗うスポンジ、そしてそれを収納する場所と、食器などを拭くためのふきん。日頃キッチンで行う動作から必要なものをイメージして、この5商品をシリーズとしました。
 左から「抗菌キッチンブラシ」「抗菌キッチンスポンジ」「抗菌キッチンスポンジ3層」「抗菌スポンジホルダー」「抗菌ふきん」

−−− 5商品とも共通してシンプルですが、デザインのこだわりを教えてください。

機能をあれもこれもと盛り込む案もありましたが、歴史を語り、長く愛され続ける商品からは遠くなってしまう恐れがありました。機能は極力絞り込みました。また、すべての商品に抗菌剤を配合して、意識せずとも長く清潔に使っていただけるように工夫しました。

見た目もベーシックに。キッチン空間のノイズにならない、主張しすぎない佇まいを追求しています。角の丸さや色味など、空間の調和を乱さない「やわらかさ」も大切にしました。

例えばふきんの場合、見た目のやわらかさに加えて、使い始めからごわつかず、しなやかに使える素材を選んでいます。
            レーヨンと綿でふっくらと編み上げた、抗菌糸配合の「抗菌ふきん」

−−− 細かな部分にも長く愛されるための工夫が凝らされているんですね。では、シリーズの中で、いちおしの商品はどれでしょう?

創業当時のアイテムをルーツにもつ「抗菌キッチンブラシ」です。最初は、持ち手にハンドルがついているものや、紐がついているものなどを考えましたが、もっと自然な形を目指そうと、原点に立ち返りました。

参考にしたのは、昔マーナで製造していた化粧刷毛です。持ち手を軽く掴んで、くるくると回せば自然な動きができる、このつくりを活かしました。最終的には持ち手にくびれをつけ、水や泡がついた手でも滑りにくく、しっかり握れるようにしています。
左が化粧刷毛。右が「抗菌キッチンブラシ」。「抗菌キッチンブラシ」の毛は、豚毛と抗菌剤入りナイロン毛の混合毛。丸みを持たせてカットしているため、ざるなども洗いやすくなっている

−−− ここでも歴史が活かされているとは、驚きです! スポンジが2種類ある理由も教えてください。

シンプルな見た目ですが、マーナの知見を活かした、タイプの異なるスポンジなんです。実は、愛され続ける商品を目指すために、マーナのヒット商品であるふたつのスポンジから着想しました。ひとつは「おさかなスポンジ」もうひとつは「POCO 葉っぱ型スポンジ」です。

「おさかなスポンジ」は見た目のかわいさも人気の理由のひとつですが、長く愛され続ける理由は、耐久性や泡立ちの良さ、握りやすさなどにあると考えました。「抗菌キッチンスポンジ」をつくるにあたって、「おさかなスポンジ」が支持されている理由を分析し、できるだけ取り込みました。
        通気性が良く泡立ち豊かな「抗菌キッチンスポンジ」。単層の弾力を考えた35mm厚

「POCO 葉っぱ型スポンジ」は、「抗菌キッチンスポンジ3層」に活かしました。「葉っぱ型スポンジ」は、表面が毛羽立ちづらく、食器に密着しやすい素材で、バイヤーの方々からも長年支持されている商品なので、素直にその声を反映させました。
       毛羽立たない圧縮層でしっかり洗える「抗菌キッチンスポンジ 3層」。コシを考えた30mm厚

−−− スポンジは、ふたつのヒット商品がベースだったんですね。スポンジホルダーについても教えていただけますか?

自分の体験が開発のヒントになっています。これまでのスポンジホルダーは、裏側がシンクにくっついてしまうため、そこからカビが発生してしまうことがあったんです。そこで「抗菌スポンジホルダー」は、シンクに対して空間をつくり斜めに浮くような設計にすることで、シンクに当たらないようにしました。
          抗菌剤入りの「抗菌スポンジホルダー」。スポンジが斜めに置けて水切れが良い

−−− 「清潔謹製」を社内の方に使っていただいた際に、どんな声がありましたか?

「抗菌キッチンスポンジ」を使った営業メンバーから「すごく使いやすかった。」「これからはこれを使います!」などポジティブな感想が多かったです。

売り場に商品が並んだ時、カラフルなものや、ユニークなかたちのものが多い中で シンプルな「清潔謹製」を手に取ってもらえるか不安があったんです。売り場のことをよく知る営業から前向きな意見が聞け、自信になりました。発売後も、実際にお使いいただいたお客様の声が支えになっています。

−−− 最後に「清潔謹製」シリーズをどんな人に使っていただきたいですか?

日々の家事に忙しい方、いろんな清掃道具の中で何を使ったらよいか迷ってる方に、ぜひ使っていただきたいです。「がんばらなくちゃ!」と気負わなくても、清潔な空間を保てるはずです。

「清潔は最高のおもてなし」という商品コピーは、マーナが使う人へ向き合う姿勢であると同時に、使う人がその家族に向き合う姿勢でもあると思います。家族みんなが気持ちよく過ごせる清潔な空間づくりのお手伝いができたら嬉しいです。