よみもの

2021.2.25

食パンをおいしく保存。 朝が待ち遠しくなる 「パン冷凍保存袋」開発者インタビュー

商品開発の裏話をお届けするこのコーナー。今回は、パン好き必見の専用袋「パン冷凍保存袋」をご紹介いたします。
パン作りのプロと考えたパンをおいしく保存できる袋「パン冷凍保存袋」

−−− 「パン冷凍保存袋」の開発のきっかけを教えてください。
アイデアが生まれたのは、今から1年以上前のことです。高級食パンがブームになっていて「パンをおいしく保存するニーズがあるかもしれない 」とひらめきました。さらに、アイデアに加えて、市販の食パンの袋に書かれていた注意書きが、開発を後押ししたんです。

−−− 市販の食パンの袋に、どんなことが書かれていたんですか?
ほとんどのメーカーの袋に「冷凍の専用容器に入れ、密封して冷凍庫で保存してください」といった内容が書かれていました。でも、実際は食パンを袋のまま冷凍庫に入れてしまう人が多いと思うんです。結果、袋の口のほうから霜が降りて冷凍庫の臭いがついてしまうことも…。

−−− わ、わたしも袋のまま冷凍庫に入れてました…
「冷凍の専用容器」といわれても、何を使ったら良いか、パッと思いつかないですよね。メーカーが冷凍保存容器を推奨しているのだから「これは必要に違いない」と確信を持ちました。

−−− たしかに食パン専用の冷凍保存容器って今までありそうでなかった商品です。
そうなんです。開発したものを社内で使ってもらったところ、「専用だから安心感がある」「これを使うとちょっといいことをした気持ちになる」なんて声があがりました。

−−− 「専用」ってやっぱり心強いですよね。容器のかたちもいろいろ種類があったかと思います。あえて袋を選んだ理由はありますか?
最初は袋ではなく、箱を使ってテストしてみたのですが、冷凍庫でかさばってしまいますし、コストの面でも難しいところがあって、チャック付き袋を選びました。

−−− このチャック付き袋、山型食パンでも入りますか?
入ります。サイズは、かなりこだわりました。アンケート調査で、食パンを一度に3〜4枚を冷凍する人が多かったので、その量が入るようにしたんです。試作を重ねて、ちょうどよいサイズを探れたと思います。

−−− 縦にした状態で冷凍庫に入れられるのがうれしいです! これなら、冷凍庫でも迷子になりませんね。

−−− 逆に、チャック付き袋にしたことで難しかった点はありますか?
よくあるフリーザーバッグとの差別化に苦労しました。マーナの商品の中に、チャック付き袋の「極 お米保存袋」もありますが、お米ならではの機能として空気を抜く弁が付いているんです。ただ、食パンの性質上、今回のチャック付き袋にパンならではの機能を付けるのが難しくて…。そこで「おいしく保存」を差別化のキーワードに掲げてみました。

−−− 「おいしく保存」ですか?
はい。この袋を使ったら、いかにおいしくパンを保存できるか。それを科学的に証明したんです。パン冷凍保存袋の空気の透過量などを専門の方にチェックいただいて、それを一目でわかるグラフにまとめて、パッケージに記載したんです。何をおいしさの根拠にするか、根拠を示す方法に辿り着くまで様々な方法を検討しました。

−−− パン冷凍保存袋の内部はアルミになっていますね。この構造が「おいしく保存」の秘密でしょうか?
はい。今回は「トーストスチーマー」に続いて、歴史あるパン・料理教室「ホームメイドクッキング」さんとの共同開発で、フリーザーバッグや食パンの袋との比較や官能評価などを行いました。さまざまな素材の中から、光・空気・臭いを遮断するアルミの3層構造を選んだんです。

−−− 頼もしい構造ですが、見た目にもかわいいのがうれしいです。デザインのこだわりも教えていただけますか?
ひとつは、色です。パンをイメージしたベージュの中でも、濃いものから落ち着いたトーンまで、ぱっと見ではわからないかもしれませんが、いくつも検討しました。もうひとつは、袋の真ん中にプリントしているロゴです。最終的に決定したのは、一番シンプルで控えめなロゴですが、そこに行き着くまで何十通りも考えました。

−−− コーヒーのパッケージみたいなデザインに、パンのかたちが立体的なもの、大ぶりなシールのようなデザインもありますね。
社内でアンケートをとって最終的な候補を絞りました。あとは「高級食パンのお店に並んだとき、いちばん馴染むデザインはどれだろう?」と想像をふくらませて、現在の色とロゴに決定しました。

−−− 既存のチャック付き保存袋にはない、あたたかなデザインで、冷凍庫から取り出すたびにテンションが上がります。
まさに、パン冷凍保存袋を使うことで、ワクワクしてくれたらうれしいなぁ、って思ってました。
マーナの商品で、スチーム効果でパンをおいしく焼きあげる「トーストスチーマー」と、トーストの蒸気を吸ってパリッと食感をキープする「エコカラット トースト皿」があるんです。パン冷凍保存袋から食パンを取り出して、焼くときにトーストスチーマーを使って、食べるときにトースト皿を使う…。

3つの商品を使うことで、パンのある時間がもっと楽しくなる。もっと言うと、朝起きるのが楽しみになる。そんな風景を夢見ています。

−−− 最後に「パン冷凍保存袋」をどんな方に使っていただきたいか、教えてください
年齢などに関係なく、パンが大好きだけど食べ切れない人、最後までおいしくパンを食べたい人に、使っていただきたいです。