よみもの

2019.11.27

湿気を防いでワンタッチで開く「調味料ポット」とは?

本日の開発裏話インタビューは、初の男性が登場です!テーマとなるのはこの2019年11月に発売されたばかりの調味料ポット。どこの家のキッチンにもある、調味料入れ。当たり前のことかな…、と諦めていたアレコレに挑戦したこだわりの一品です。パッキンでしっかり閉まって湿気を防ぎ、ワンタッチで開く「GOOD LOCK CONTAINER グッドロックコンテナ」シリーズの調味料入れ

ーーーマーナは女性開発者が多い中、本日は初の男性インタビューです。

ーーーそもそも、どんなきっかけで作ろうと思ったのですか。
僕はよく料理をしますが、以前から調味料入れが使いづらいなと思うことが多くて。中でも一番ストレスだったのが「蓋」です。すぐ壊れてしまうし、開けるのも面倒くさい。もう、いっそのこと蓋のない調味料入れを作ってはどうか、というアイデアが浮かんだのが始まりです。

ーーー蓋のない調味料入れ、斬新ですね。
それで、社内で調味料入れについてのアンケートを取ったところ、やっぱり調味料入れに使いづらさを感じている人は多くて。

ーーーどんなところが使いづらいという意見が出たのでしょうか。
使われている調味料入れは大きく分けて二つありました。一つめは、僕も使っていたような蓋をワンタッチで開けられるタイプ、もう一つは瓶や陶器などでできたキュッと閉められる密閉タイプのものでした。ワンタッチ式を使っている人は、開けるのが簡単ではあるけれど調味料が固まってしまう・・・。密閉タイプの人は、調味料は固まりにくく、デザインもステキだけれども、簡単に開けられない・・・・など何気なく仕方ないと諦めていることがありました。

そこで、この両方の良いところを合わせて、ワンタッチで開いて、かつしっかり閉まって湿気を防げる調味料入れを作ろうと考えました。

ーーー蓋がないものはやめたのですね。
はい、調味料が固まってしまいますからね、諦めました(笑)。

ーーーそれでこのパッキンがついた蓋がついたわけですね。どのくらい湿気を避けられるのでしょうか。
気温を30度、湿度を95%以上に保った環境で、他社製品と合わせて塩を入れて放置する実験を行なったところ、ワンタッチ式で開く容器と比べると圧倒的に湿気を防ぐことができ、それは密閉タイプの容器と同じくらいの数値結果でした。

ーーー蓋が簡単に開けられて、かつ、湿気を防げる容器を実現できたのですね。
そうですね。パッキンでしっかり密閉しながらも、ワンタッチで開けたかったのでその加減がすごく難しかったです。何個も何個も作って試しました。

試作品の数々

ーーー確かに、湿気が入るのは嫌だけど、簡単に開けられないとストレスがたまります。
そうですよね。あと、蓋を押し上げた時に勢いが良すぎて「バイーン!」と揺れるのも、美しくないので止めたくて。

ーーー確かに、これは開けても蓋が揺れないですね!美しくスッと止まります。
ブレーキ部分にもかなりこだわって作りました。蓋が開いたまま止まるので、補充する時もとても便利です。

ーーー補充の時に蓋が閉まってくるのはストレスですもんね。あとは、これまでのワンタッチ型の調味料入れは奥側が開くと思うのですが、これは手前が開きますよね。ここにもこだわりが?
いえ、最初からそうしようと考えていたわけではなかったんです。パッキンでしっかり閉まっているので簡単には開かないため、軽い力で開けられるようにテコの原理を使って開けられるようにしました。実際使ってみると、手前に開いた方が使いやすいし、置いたままでも開くことができるので便利ですよね。

奥に開くのは、偶然です。

ーーー蓋だけではなく、全体のデザインもとてもシンプルです。
とにかく突飛な形にはしたくなかったんです。女性が違和感なく使える優しくて柔らかみのある丸みを帯びた形。でも可愛すぎない、スタンダードな形を目指しました。

最近はリビングと一体化した対面式のキッチンが多いので、色も白やグレーで統一感が出しやすい色にしています。特に、蓋の連結部分は出っ張りすぎないように、蓋と本体が違和感なく、チープに見えないように何度も試作を重ねました。小心者なので、誰にも違和感を感じさせない形でまとめたかったんですよね。

ーーー毎日使うものにストレスは感じたくないですよね。
中のスプーンもその点には気をつけました。スプーンを蓋に固定することも検討したんですが、毎日のこととなると結構面倒くさい。ポーンと投げ入れられるようにしたくて。でも、調味料の中にスプーンが埋まるのもイヤだし、蓋が閉まらないのも困る。調味料が満量入っている時も、少ししか入っていない時も、程よい位置で立て掛けれられるように、スプーンの長さと、立てかけるすりきり部分の形状をこだわりました。

付属のスプーン小さじ1(5ml)をすり切れる板。ここにスプーンが立てかけられます。

ーーーあとは、持ち手が長めなのも気になりました。
これは、調味料ポットがワンタッチで手前に開くことで、置いたままでも使うことができるので、ちょっと離れたところから蓋だけ開けて使うというシチュエーションも考えて、安定感の良い長さにしました。
ーーーまさか、このシンプルな調味料入れにここまでのこだわりがあったとは……。
そうなんです。でも、こだわりが多く推したい部分が沢山あったのでパッケージには悩みました。単に「ワンタッチ」ということでも、「湿気にくい」ということでもない、結局その両方をうたっています。

ーーーたしかに、一見とてもシンプルなので、この機能性が伝わりづらいですね。でも、この細部までこだわった「調味料ポット」、ぜひたくさんの人に使ってもらいたいですね。
本当にそうですね。みなさんが当たり前だからと諦めていたことが解決されて、暮らしがひとつ豊かになれば嬉しいと思っています!