よみもの

2019.9.25

陶器の小さなパンがトーストを美味しく??「トーストスチーマー」開発者インタビュー

トースターの中に小さなパンの形をした陶器がちょこん。そんなかわいい出で立ちで、発売直後から売り切れ続出の大ヒット商品「トーストスチーマー」。いつものトースターに入れて一緒に焼くだけで、手軽にふっくらトーストを作れる優れものです。歴史あるパン・料理教室「ホームメイドクッキング」と共同企画したシリーズです。

本日はこの「トーストスチーマー」の開発担当が裏話をお届けいたします。

水に浸してからパンと一緒に焼くだけで、外はサクッ、中はふわっと美味しく焼き上げます。

ーーー「トーストスチーマー」はどんなきっかけで生まれたのですか?
もともと社内で、電子レンジでパンをふわっと美味しくできないか?という企画があったのですが、それがどうしてもうまくいかず…。だったら、電子レンジではなく、トースターを使って、もっと美味しくパンが焼けるグッズを考えてみたらどうだろう?と思いつきました。昔からある裏技でパンに霧吹きで水をかけるとふっくら焼けるとか、水分を足すことがパンの美味しさに関係があるのでは?と思っていて、また、ちょうどスチームでパンがふっくら焼き上げる高級トースターが流行り始めた頃でしたし・・・。
それで、実は私は大学で陶芸を専攻していて、陶器を使えば美味しくできるのでは?と思いつきました。

ーーーいろんな素材を試すことなく、ダイレクトに陶器にたどり着いたんですね。
そうなんです・・・。そしてまずは、陶器と似ている素材として、マーナがLIXILさんと共同で作っている「エコカラット」という素材で作られたシリーズの「エコカラット ボトル乾燥スティック 」に水を染み込ませてパンと一緒にトースターに入れて焼いてみたんです。ーーーまさか、エコカラットもトースターに入れられるとは思わなかったでしょうね。
ええ、びっくりですよね。しかも、吸水性をさらに良くするように凸凹にもしてみたりして……(笑)。

ーーー結果はどうだったんですか。
悪くないな、と。ふっくらしているように感じました。

ーーーそれで、実際に陶器で制作し始めたんですね。制作は順調でしたか?
いえ、これまでマーナ製品の素材はプラスチックが中心なので、陶器を使った商品づくりは大変でした。

ーーー試作品は良い感じにできましたか。
パンを作るクッキング教室として有名なホームメイドクッキングの先生と一緒に食べ比べをしてもらい、味に違いがある!とお墨付きをいただきました。 自分たちの感覚ではふっくらしているとは思いましたが、客観的に確証を得るのが大変でした。

ーーー客観的な確証はどのように探っていったのですか。
まずは、数値として水分量を出してみました。トーストスチーマーを入れた時と入れてない時と、それぞれパンを焼く前後の重さを測ったり、朝から晩まで何枚もパンを焼き続けました。数値的にはやはりトーストスチーマーを入れたパンの方が水分量が多いということは分かりました。

ーーー「トーストスチーマー」は効果はもちろん、パンの形をしているのが可愛いですよね。
形にはこだわっていて。最初の試作品は丸みが足りなくてまるで跳び箱のようだったんですね。ーーー可愛さにこだわったのですね。
そうなんです。でも、ファンシーすぎる可愛さにはしたくなくて。トースターを開けたら、ちっちゃいパンが入っていたらクスッと面白いな、くらいのバランスにしたくて。自分で試作品を削って何度も作りなおしました。

ーーーマーナとしてめずらしい陶器の商品を販売するというところで、苦労はありましたか?
素焼の陶器を販売するのは初めてだったので、梱包や流通の担当者ととにかく壊れないように気を使いました。あとは、食品衛生の試験も行いました。やはり安心してご使用いただきたいので。そちらも無事クリアすることができました。

ーーーそしていよいよ販売ですね。反響はいかがでしたか?
とってもよかったです。世の中にないものだったので、たくさんの取材をしていただきました。最初からテレビでも取り上げていただいたので、すぐに品切れになってしまって、お客様にご迷惑をおかけしてしまうほどでした。本当にありがたいですね。

水に浸してパンと一緒に焼くだけ

ーーーお客様からはどんな反応がありましたか。
普通のトーストはもちろん、冷凍パンを焼くときも美味しく食べられるようになったという声や、ロールパンなどの厚みのあるパンだと、より一層ふっくら感じるという嬉しいお声をいただいています。ーーーでは最後に、「トーストスチーマー」をまだ使ったことのない方に一言お願いします。
特別な料理じゃなくても、いつも食べているものが手軽に美味しくなるという経験ってとっても幸せだと思うんです。おいしいトーストが待ち遠しくて、朝も元気に起きられるとか・・・。トーストスチーマーがそんな日常を少しだけ楽しくしてくれていたら嬉しいです。